パノラマmemo担当の伊藤です。いつもパノラマmemoをご愛顧頂きありがとうございます。
今回、シータ最新機種「THETA X(シータエックス)」の検証機をリコー様よりご貸与頂きましたので、皆様にも最新情報を発信していきます。
そもそも、THETA X(シータエックス)って何?
2022年5月中旬に発売予定のTHETAシリーズ最新機種です。大型液晶モニターが搭載されている事から「最上位機種」と思われがちですが、リコーさんの位置づけとしては「Z1 > X > SC2」という並びの中間機種との事。
主な特徴は以下
- 大型液晶モニター搭載で、撮影した写真の確認や、画質設定などがTHETA本体のみで実施可能に(他機種は不可)
- 高精細撮影モード(11K画像)への切替が可能。※ただし暗い場所の撮影に弱くなるため、弊社では初期設定の5Kモード(ほぼV,SC2等の機種と同等)の利用を想定して検証も行っています。
- THETAシリーズ初のバッテリー交換に対応 ※連続1時間以上の撮影を行うなら重要!
- 外付けSDカードに対応 ※動画撮影しないのであれば不要
- 本体サイズは大きく、重量も重い
液晶はさほど大きくないので、スマホに慣れていない方は操作が難しいかもしれません。
その他詳しい特徴は公式Webサイトや、インターネット上の記事をご参照ください。
今回は弊社レビュー第1弾として、パノラマmemoならではの「建築現場で使うには便利なのか!?」という視点で他機種と比較レビューしていきます。
建設現場で使えるか比較レビュー
比較対象となるカメラ
今回比較するTHETAは「(下記画像左から)Z1、X、V、SC2、SC」です。
まずは結論「THETA Xは建設現場での利用にお勧めか!?」
シーン① THETA単独で現場撮影する場合 ⇒ 超おススメ!!
シーン② THETAとスマホ純正アプリを利用する場合 ⇒ Z1かSC2の方が良い
シーン③ パノラマmemo専用アプリで利用する場合 ⇒ 短時間で大量撮影するならGoodか?(まだパノラマmemo撮影アプリとの親和性確認中のため未確定)
詳細は、以下の簡易レビュー結果を見てからご説明しますね。
簡易レビューでの比較項目
今回は、以下3点で比較します。
①価格
建築現場での業務利用では「個人利用ほど丁寧に扱われない」ことによるカメラ破損(特にレンズ傷)が多いです。その為、修理コストが高いのが実態。
また、業務ツールである以上「破損・バッテリー切れを起こした際の予備機」も含め複数台のシータを利用されるケースもあるため、製品価格は意外と軽視できません。
※弊社でも30台以上のシータを購入しており、コストは侮れません。。。
②画質
いずれは、屋内・機械室・点検口などの様々なシーン比較をしますが、まずはスペック上の画質比較を行います。
③撮影した写真の転送速度
パノラマmemoでの現場撮影では、1時間で50枚以上を撮影される方もいらっしゃいます。
その際、一番重要になるのが「シャッターを切ってから、iPhoneアプリに写真が転送されるまでの時間」です。
※我々もこれを重視し、メイン撮影機材はTHETA-Vとしています。
★特に今回は、この点を最重要項目としています★
比較結果発表
今回の検証は「iPhone12+リコー純正THETAアプリ」を用い、各THETAでの撮影速度を中心に確認しています。
機種 | 参考価格 | 画質 | 写真1枚の転送速度 | 1秒あたりのデータ転送量 | 手振れ補正 |
THETA Z1 | 約13万円 | ◎ | 10.31秒 ※1 | 825KB/秒 | あり |
★THETA X | 約11万円 | 〇 | 5.38秒 | 777KB/秒 | なし |
THETA V(終売) | 約5万円 | 〇 | 7.11秒 | 691KB/秒 | あり |
THETA SC2 | 約3万円 | 〇 | 16.52秒 | 233KB/秒 | なし |
THETA SC(終売) | 約2万円 | × | 31.53秒 | 121KB/秒 | なし |
※1: 写真1枚当たりのデータサイズがZ1のみ約8MB(他機種は約4MB)のため、データ転送時間を要する。
各機種ごとの特徴&お勧め度(パノラマmemo専用撮影アプリを利用した場合)
THETA-Vが現在入手困難なことを考えると、今回のTHETA-XはSC2の次にお勧めの機種です。
※ただし2022年4月時点で、パノラマmemo-shot(専用アプリ)での正式動作保証はしておりません。
機種 | パノラマmemoお勧め度 | コメント |
THETA Z1 | ★★ | とにかく高画質!かつそこそこ転送速度も速い。手振れ補正もあるため手持ち撮影でも安心。 ただし、超高額。特に建設現場では、雑な取り扱いによる「レンズ破損」や「落下」が多いため、特にコスパが悪。 ※カメラ取り扱いについては社内教育や、THETA本体にテプラで「レンズ傷つきやすい為、取り扱い注意!!」との記載を強く推奨。 |
THETA X ※1 | ★★★ | 画質はZ1以外の機種とほぼ同等(わずかに良い)だが、写真転送速度が全機種のなかで最速!(SC2の約3倍) しかし、Z1同様に高額な点がネック。 |
THETA V(終売) | ★★★★★ | 転送速度の速さ・程よい価格・手振れ補正付きで、バランスの取れた超推奨機。 ただし現状入手が困難なのが唯一のボトルネック。(中古でも修理対応して貰え、修理代も安価なため弊社では積極購入しています) |
THETA SC2 | ★★★★★ | 破損率の高い「現場用カメラ」として、お客様に一番推奨している機器。 撮影からスマホへの転送完了まで16秒程度かかるのが難点。ただし、大量撮影しないのであれば問題なし。 |
THETA SC(終売) | ★ | 撮影から転送完了まで30秒程度かかるため、弊社ではSC2への買い替えをお勧めしています。 |
※1:パノラマmemo-shot(iOS専用アプリ)でも動作することは確認できていますが、2022年4月時点では正式動作保証しておりません。
結論
シーン① THETA単独(スマホを使わない)で現場撮影する場合 ⇒ 超おススメ!!
撮影直後に、撮った写真が確認できる。特に「撮影に慣れていない方」の場合は、撮影してみたが後で確認したら「暗すぎた」「手振れして使い物にならなかった」…というシーンも多く見受けられます。THETA-Xならスマホと接続していなくても撮影直後にプレビュー画面が見られるので、撮影ミスが激減するので安心です!!
シーン② THETA純正アプリを利用する場合 ⇒ Z1かSC2の方が良い
シーン③ パノラマmemo専用アプリで利用する場合 ⇒ 短時間で大量撮影するならGood(THETA Vが入手不可の場合のみ)
シーン②③では、ともに「THETAとスマホを接続しての利用」となります。スマホと接続すれば「撮影後の写真チェック」ができるため、THETA-Xの強みである「撮影ミスを即座に確認できる」という他機種にないアドバンテージが生かせません。
ただし「撮影した写真のTHETA⇒スマホへの転送速度」が劇的に早い為、パノラマmemo-shotを利用した大量撮影(1時間で50枚以上)される場合には非常に有効です。
今後に向けて
今回は、時間の限られた現場撮影で重要となる「写真データ転送速度」に注目したレビューとなりました。
今後は「画質や暗所撮影能力(Xは、VやSC2よりわずかに良い)」「バッテリー持続時間」などの面にも着目し、検証を進めていきたいと思います。
そして何より、パノラマmemo専用iOSアプリ「パノラマmemo-shotでのTHETA-X正式サポート」に向け開発チームとの検討を進めてまいります。
今後とも、パノラマmemoをご愛顧頂きますよう宜しくお願い致します。